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負債サイクルの終焉
結局のところ、負債とは信頼性のゲームなのです。・・・実体経済とは、政府が作り出した債務を担保するために使用する価値を生み出す、人間社会の生産的な部分です。
Texas Blockchain Summitでの、Natalie Smolenski氏の講演。 サイクルと共に増加する負債、債務スーパーサイクルの終焉にむけ、 「なぜビットコインなのか？」の見事な答えになっています。
https://www.nataliesmolenski.com/
https://twitter.com/NSmolenski
"Bitcoin is Not Crypto" — The great @NSmolenski on the end of the debt supercycle and the future of finance and technology. Recorded Nov 18 in Austin, Texas. pic.twitter.com/Vvei8js5w8
— Tuur Demeester (@TuurDemeester) December 6, 2022
スピーチも聞き応えありますが、文字を起こしましたので、長文ですがお楽しみのほど。
日本は、約1.4兆ドルの外貨準備高と1000兆円の現金個人資産があるっていってもねぇ。 自国通貨発行で国家の崩壊はないとしても、低中所得者層は影響を受けざる得ないと思うけど、 さてさて、日本（の政府）は信頼できるのでしょうか？
我々は、一部の経済学者が債務スーパーサイクルと呼ぶ、文明が持続不可能になるまで公的・私的債務のレベルを増加させる数世代にわたるサイクルの終わりを目撃しています。 その時点で、レバレッジシステムはすぐに解除され、債務が再構築されますが、多くの場合、文明が経済恐慌に陥り、より低いレベルの複雑性に移行するまでには至りません。 FTXやVoyagerのような主要な暗号通貨取引所、AlamedaやThree Arrows Capitalのような暗号ヘッジファンドの崩壊によって、我々は今日この始まりを目にしているのです。
基本的に、これらの機関は、所有する資産ではなく、レバレッジや負債を使って大規模な市場賭博を行いました。 また、暗号空間の金融サービス・プロバイダーに、持っていない資金を貸し出して利回り商品を支え、 事実上、高金利の暗号貯蓄口座は、ほとんどの銀行の貯蓄口座が実質0％の低金利という環境の中で個人投資家に非常に人気となったのです。 暗号取引所とヘッジファンドは、暗号エコシステム全体に構築された数百の新興企業に投資するベンチャー部門も持っていました。 これらの企業は重要なマーケットメーカーであったため、その崩壊は組織的ショックを引き起こし、債務超過と倒産の連鎖を引き起こしました。 数百万人の投資家が、すべてではないにせよ、かなりの額の財産を失いました。 このような事態を招いた犯罪性は、今ようやく明らかになりつつあります。 しかし、負債のスーパーサイクルにおける悪役は、乱暴で守れない約束をしたり、完全な詐欺に手を染めた経営者や企業だけではない。 彼らは主権者からヒントを得ている。
米国の場合、FRBはコロナウイルスが始まって以来、バランスシートを4兆ドルから8兆ドルへと倍増させています。 FTXとTerra Lunaの両社が行おうとしたことと同じです。自分たちの私的通貨を印刷して、資産簿と評価額を支えようとしたのです。 しかし、彼らは主権者ではありませんでした。 主権者の暴力の脅威のもとで、誰にも自分たちのトークンを使うよう強制することはできませんでした。
しかし、国家はしばらくの間、自国通貨の価値を高めることができます。 しかし、ある時点で、主権者に対する信頼も崩れます。 結局のところ、負債とは信頼性のゲームなのです。 主権者は沢山の借金を抱えていても、潜在的には長い間（突然そうなって、そこが戻れないポイントになるまでは）問題にはなりません。 私たちの国の借金は現在31兆ドル以上あり、さらに増え続けています。 債務残高の対GDP比は現在125％で、これは生産経済が債務を返済するのに十分な価値を生み出せないことを意味します。 そして、米国債に対する世界の最大の投資家は、米国債、他の国債、その他の国債に投資しています。 米国債に対する世界の最大の投資家である他の国々は、保有する国債を計画的に売却し、購入量を減らしているのです。 信頼は急落しています。
ビットコインが作られたのは、まさにこのような社会環境のためなのです。 歴史が何度も示しているように、政府に対する信頼が危機に瀕したとき、人々は金、銀、土地など、長期間にわたって価値を維持する価値貯蔵品に頼るようになります。 考古学者が、ある社会がある時期に紛争や戦争に直面していたことを、その時期に地中に埋められた硬貨の山が多いことで知ることができます。 ここで、現物商品の問題が出てきます。 重く、場所をとり、さらに国境を越えて移動することが難しいからです。 例えば、あなたが政治的に迫害された少数民族で、人生の財産を裏庭に埋めたとしても、命を守るために国外に脱出しなければならない場合、その財産を再び目にする機会はほとんどないでしょう。 しかし、どうにかしてその一部を取り戻して持っていくことができたとしても、簡単に見つかって没収されてしまうのです。 1万ドル相当のゴールドを持って国境を越えてみれば、私の言っていることがわかるだろう。 また、現物商品も真偽の確認が難しい。 誰かがあなたに金貨を渡して、それが97％の純度だと言ったとしても、あなたが適切な経験と設備を持つ宝石商でなければ、どうやってそれを検証するのでしょうか？ こうした問題を解決するために開発されたのがビットコインです。
検証のコストは、本物のビットコインとの取引しか認めない台帳が担っています。 ビットコインの台帳上で取引していれば、ビットコインが偽物でなく本物であることがわかるのです。 また、ビットコインを電子的に送ったり、小さなハードディスクを持っていったり、 シードフレーズを記憶しておいて安全な場所にいるときに新しいハードウェアウォレットで再生成したりと、ピアツーピアでどこでも簡単に移動させることができるのです。 いずれも第三者、銀行や金融機関を必要としません。 したがって、ビットコインの真の約束は、自分のビットコインを自分で特別なハードウェアに保管し、そのハードウェアを使って自分で取引するというセルフ・カストディです。
しかし、口座を凍結されたり、不正な取引先にお金を盗まれたりすることよりも面倒なことなのだろうか？ 送金したり使ったりするときに、本人確認をしたり、ごく少額のお金でもその使途を政府に正確に伝えたりする必要があることよりも、もっと面倒なことだろうか。 アメリカでは、ほとんどの人が今までこのような搾取や監視の犠牲になるとは思ってもみませんでした。
それで、今こそ、ビットコインはクリプト（暗号通貨の総称になっている）ではない、と言うべきでしょう。 もちろん、高度な暗号技術を使用していますが、口語的に意味するようになったクリプトとは何の関係もないのです。 ねずみ講、ジョークコイン、無登録証券など、事実上すべてのクリプトがそうです。
ビットコインは、会社のトークンでもなければ、不良債権を引き受けるための偽の価値を作り出すスキームでもない。 ビットコインは絶対に希少で、ピアツーピアで、検閲に強く、どんな政治的、経済的嵐でもあなたの財産を安全に保つように設計されたデジタル通貨です。 その価格は短期的には変動しますが、長期的には人類史上最もパフォーマンスの高い資産です。 問題は、あなたが自分の未来を守るために十分な忍耐力があるかどうかということです。
そして、ここで性格の問題に行き着くのです。 ご存知の通り、2017年、私たちがLearning Machineを発売した直後、世界はICO、つまりイニシャル・コイン・オファリングのブームに見舞われました。 これはクリプトのブルランの一つです。 多くの競合他社が独自のトークンを立ち上げ、これらのコインの販売から何百万ドル、何億ドルもの資金を調達していました。 私たちは、それをやるかやらないか、戦略的な企業判断を迫られ、やらないことを選択しました。 トークンには、私たちのユーザーや製品に付加するような価値がなかったのです。 さらに、これらのコインはHowieテストに合格していたため、SECが不可解な理由でその大部分を追いかけていなかったとしても、未登録の証券であることも知っていました。 私たちは、実際のユーザーに真の価値を提供するソフトウェア製品を作り、販売することに専念しました。 これは成長への道筋としては遅々として進まなかったが、正しい道でした。
今日、私は実体経済の分野で働き続けています。 実体経済とは、政府が作り出した債務を担保するために使用する価値を生み出す、人間社会の生産的な部分です。 しかし、政府はすべてを手に入れようとし、すべての人の支出を優先させる一方で、想像を絶する量のお金を無から生み出し、 流通するお金の量を2倍にすれば必然的に起こるインフレと戦うために金利を上げることを選択しました。 これは持続可能な状況ではない。
そんな中、テキサス州には、財政規律と財産権の尊重を示すことでリードする機会があるのです。 2021年、テキサス・ブロックチェーン協議会は、テキサス州議会のチャンピオンや同僚と協力してHB1576を可決し、 テキサス州のためにブロックチェーン技術に関する政策提言を行うことを任務とする主題専門家のグループ「ブロックチェーン問題に関するワークグループ」を創設しました。 私は、テキサス州の議長であるデイド・フェランによって、そのグループに任命されました。 その報告書がちょうど出版され、昨日、私の同僚と私は、テキサス州上院のビジネス・商業委員会でそれについて証言しました。 私のTwitterやLinkedInの経歴にリンクがありますので、この報告書をぜひ読んでみてください。
この報告書は、テキサス州が責任ある、十分に担保された金融サービスをリードしている理由を紹介し、 州政府と国政府の両方に対する信頼を回復するためにビットコインが果たすべき役割について概説しています。 本日、テキサス・ビットコイン財団は、テキサス州立テクニカルカレッジと提携し、 世界のどこの高等教育機関でも提供される世界初のビットコインマイニングの専門資格プログラムを立ち上げると発表しました。 これにより、ビットコインのプロトコルを支えるビットコインマイナーの人材プールが、ここテキサス州に誕生することになります。 このプロジェクトは、FTX Future Fundから5000万ドルの助成を受ける必要はありませんでした。 フェリシアとギデオン・パウエルという献身的なエネルギー企業家が、 「このプロジェクトが小さく始まり、成功を収め、テキサス経済に提供する実際の価値に基づいて成長できるよう」、 シード資金を提供しただけなのです。
