ビットコインのオフ・チェーン決済、Lightningネットワーク。 日本ではあまり普及していない?ようですが、各地で草の根的に使えるところが増えてきている感じがあります。
そしてライトニング・ウォレットの選択肢も増えてきてます。
- Wallet of Satoshi : https://www.walletofsatoshi.com/
- Muun : https://muun.com/
- Blue : https://bluewallet.io/
- Breez : https://breez.technology/
- Phoenix : https://phoenix.acinq.co/
- Blixt : https://blixtwallet.github.io/
- Zap : https://zaphq.io/
- SBW : https://sbw.app/
- Bitkit : https://bitkit.to/
- webext.Alby : https://getalby.com/
- webext.Tippin.me : https://tippin.me/
今回は3つに絞って、細かく、かなりセコ〜く、リサーチしてみました。太字お勧め。
ライトニングを上手に使うには ペイメント・チャンネル
「利用者が理解する必要があるのか?」と聞かれると、開発者側がなんとかしないといけない問題でもあるようにも思えます。
ユーチューブでライトニングを利用している動画をみると、 使われているウォレット・アプリは、 WalletOfSatoshi、Muunの利用率が高く見えます。 上記の2つのアプリは、利用者が「ペイメント・チャンネル」を気にしないで使えるソリューションを提供しているので、 使う人が多いのも頷けます。
ただ、そのメジャーな2つのおすすめしない理由は、
- Wallet of Satoshi : カストディ・ウォレット(資金はサービス上に保管)
- Muun : 手数料が不透明(数回使って、安いと思ったら一気に大きな手数料が掛かったりする)
カストディに関しては、もともと、少額決済のために使う人が多いと思わるので、 そこまで気にしなくても良いかとも思ったりも若干ながらしてます。 (Wallet of Satoshiにて、BTC:受取り手数料(金額の0.3%)、送金手数料(記載なし、丰8000くらい))
Muunはちょっと独特で、 ライトニングでの支払い時に、BTC(オンチェーン)から随時変換し使えるようになっています。 両者の違いなどを気にせずに使える利点がありますが、 内部でのスワップ手数料が高くなる時があり、 利用者が手数料に対して把握しずらいアプリになっています(ここが一番個人的に嫌)。 今は取引が停滞していて手数料が全体的に安いので、100倍違っても数銭とか数円の違いなのですが、 取引が活発になったら必然的に手数料も高騰するので、数円と数百円の違いになる可能性もあります。
ウォレットの比較
その他の割とメジャーな、Phoenix、Breez、Blixtの3つを比較してみました。 それぞれに、丰2,000,000づつ入金して、送受金を行ってみました。
x | Phoenix | Breez | Blixt |
---|---|---|---|
チャンネル開設費 | 1% : min.丰2,000 | 0.4% : min.丰2,000 | 0.15% |
Breezへ送金手数料 | 丰8 / 2hops | 丰1 | 丰8 / 5hops |
LN:送金手数料 | 丰1+0.005% | ? | ? |
BTC~LN:スワップ手数料 | 1% min.丰3,000 | 0.4% min.丰2,000 | 不可 |
BTC:入金最低額 | 丰10,000 | 入金枠があれば無料 | |
BTC:送金手数料 | 丰2,— | 丰10,— | 不可 |
Seed | 12 word | x | 24 word |
バックアップ | iCloud | iCloud | マニュアル |
*丰(sat) 丰1 = BTC0.00-000-001
*ウォレットを閉じる時には、全てのウォレットでビットコイン・アドレスへの送金になります。
Breez : 多機能
手数料に対しての詳細説明がある(英語だけど)のが良いです。アプリ全体的に親切さを感じます。
ポッドキャスト2、ライトニングが使えるショッピング・サイトやPOSの機能がついています。 POS機能は小規模の商店で使うこともできます。売上CSVファイルをダウンロードできます。
Developerよりコマンドラインでのちょっとしたチャンネル操作も可能。 取引の両者がBreezを使っていれば、手数料が最低の1satとかなりお手頃になります。 (将来のアップデートで変更があるかもしれませんが。) あまり人気がないようなのですが、バックアップもiCloud経由でできるのもポイントが高いです。
唯一残念なところは、BTCでの出金手数料がちと高いところですな。
Phoenix : シンプル
シンプルなデザインは良いです。取引詳細表示で、利用時の価格と今のレートでの価格を表示してくれるのがよい。 しかし、上記の図を見ても分かる通り、手数料が高く設定(透明性はある)されています。とは言っても、、高くはないのですが。
BTCへの出金が安いのがポイント、Breezの20%くらいです。 こちらもバックアップはiCloud経由でできます。
Blixt : テクニカル
一番テクニカルなウォレットで、個人のオープンソース・プロジェクトアプリです。 BTCへ(から)の資金移動はチャンネルの開設(閉鎖)時にしかできませんので、 途中での補充はちと面倒になります。 ただ自由度が高いので、いくつかのチャンネルを運用したりしてより使いやすくすることもできます。 Telegramでのコミュニティーがえらく活発ですので、リクエストがあればすぐに対応してもらえるかも?。
利用時に、支払いルートが見つからないエラーに数回遭遇しました。
まとめ
送金手数料が安いLightningですが、BTCからライトニングへの資金移動手数料は利用者の負担です。 (少額ではありますが)
Lightnningの取引に関しては間に経由するチャンネル数によって変わってくるので、 どのアプリが安いかは分かりづらいですが、Breezの手数料が少し安い感じがします。 BTC入金に関してはBreez(入金時画面で説明が出てくる)が安く、 BTC出金に関してはPhoenixが安いです。
ほとんどのひとは、ライトニングを使うことが前提で、BTCへ出金することは少ないと思う。 BTCからLightningへの送金(チャージ)が枠内であれば(今の所)無料な、Breezが良い感じかな。
最初の入金額はその金額がチャンネルの大きさ(SUICAのチャージ上限額みたいな感じ)になるので、一月で使う程度など、なるべく多めにしとくのが良いです。 で、BitRefillでAmazonギフト券を購入すれば、入金枠を確保することもできます。
頻繁にBTCへ出金するひとは、あまり良いソリューションとは思えないのですが、、 2つのアプリを入出金で分けて使うのもアリではないかとも。 知り合いの飲屋にて現在Breezを使って会計のお試し中。
例)小規模の店舗で利用時にはPOSのついたBreezの勝手がいいので、こちらで支払いを受け、 Phoenixに資金を送り、そこからBTCへのウォレットに移せば、金額にもよりますが、毎回10,000satくらいの節約になります。 手間とみるか、どうみるかは事業規模によりますな。
と、いずれのアプリも日本語のローカライズはされていなかったのがちょっと残念。 もう少し時間がかかるかな。
おまけ
Fedmint というKYCではなくKYF(Know Your Friend/Family)をベースにした Lightningと互換性のあるオフチェーン・プロジェクトがあります。 コミュニティーベースで生活が行われているエリア(田舎の町とか)に、 ライトニング普及させるためのソルーションの提供します。 ライトニング導入の壁が低くなりそうなので、ちと期待してます。
注意:
手数料の設定はアプリのアップデート共に変更されるかもしれません。
(チャンネル・ルーティング手数料もいつでも変更可能)